カテゴリ:不動産売却コラム / 投稿日付:2026/06/15 11:02
不動産を売却(譲渡)して得た利益(譲渡所得)には、通常であれば譲渡所得税が課税されます。しかし、自分が住んでいたマイホーム(居住用財産)を売却した場合には、所有期間の長短にかかわらず、譲渡所得から最大3,000万円まで控除できる大きな特例措置があります。これが「居住用財産の3,000万円特別控除(マイホームを売ったときの特例)」です。
この記事では、この特例を受けるための要件や注意点、メリットなどをわかりやすく整理して解説します。
3,000万円特別控除を受けるための4つの適用要件
この特別控除の適用を受けるためには、主に以下の要件をすべて満たしている必要があります。
- 本人が実際に住んでいる(または住んでいた)こと
売却する本人がその家屋に住んでいる必要があります。すでに住まなくなった家屋である場合は、「住まなくなった日から3年目の年の12月31日」までに売却する必要があります。なお、一時的に第三者に賃貸していた場合でも、この期限内であれば特例の適用が可能です。 - 建物を取り壊した場合の猶予期限を満たしていること
家屋を取り壊して更地として土地を売却する場合は、「取り壊した日から1年以内」に土地の売買契約を締結し、かつ「住まなくなった日から3年目の年の12月31日」までに引渡し手続き等を終える必要があります。
※注意:建物がある状態とは異なり、建物取り壊し後にその敷地を駐車場などで第三者に貸し出すと、適用対象外になります。 - 過去に同様の税制特例を利用していないこと
売却した年の前年、または前々年に、同じ3,000万円特別控除や、マイホームの買換え特例、繰り越し控除などの特例制限を適用していないことが条件です。
※所有期間に関しては、短期譲渡所得・長期譲渡所得などの税率決定には関与しますが、この特別控除の適用自体の制限には影響しません(所有期間に関係なく使えます)。 - 売却の相手が「特別な親族」ではないこと
配偶者、直系血族(親、子、孫など)、生計を共にする親族などの「特別な関係にある者」への売却(譲渡)は適用の対象外となります。基本的には親族以外へ売却する場合に適用されると覚えておきましょう。
3,000万円特別控除の重要な注意点と活用法
共有名義であれば「それぞれ最高3,000万円」控除可能
夫婦や親子などで不動産を共有名義(共有持分)にしている場合、所有者(売主)それぞれがこの3,000万円特別控除を適用できます。例えば、夫婦で1/2ずつ所有しているマイホームであれば、実質的に最高6,000万円までの控除を受けられます。
譲渡所得が0以下でも、確定申告が「必須」
特例を利用した結果、譲渡所得が3,000万円以下となって税金が発生しない(プラスが出ない)場合であっても、特例を受けるためには税務署への確定申告が必要です。自動的に非課税になるわけではありませんのでご注意ください。
住宅ローン控除との「併用制限」がある
新しく買い換える新居で「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」を利用する場合、「売却時の3,000万円特別控除」と同時に(あるいは近くの期間で)使うことはできません。
売主にとって、「今の家の3,000万円控除を利用して譲渡所得税を抑える」か「新しい家の住宅ローン控除を優先する」かの選択が必要になりますので、あらかじめどちらが有利になるか税金計算を行うのが賢明です。
一時的な利用や特別目的での居住は対象外
制度の濫用を防ぐため、この特例を受けることだけを主な目的として一時的に入居した場合や、別荘、新築完成までの間の仮住まい用の住宅などは適用の対象から除外されます。
特例を活用するためのQ&A(よくある質問)
Q. 住んでいた期間や所有していた期間が短くても使えますか?
A. 使えます。 居住期間や所有期間に制限はありません。ただし、実際に生活の拠点として居住していた実績が実態として求められます。
Q. 夫婦2人で所有している自宅を売る場合、合わせて6,000万円の控除になるのですか?
A. はい、適用可能です。 夫婦で持分を持ち合っている場合、それぞれの譲渡所得から最大3,000万円ずつ控除が可能です。
Q. 税務署への相談は必要ですか?
A. 強くお勧めします。 不動産会社の担当者へのご相談はもちろん可能ですが、個別の税金判定や申告に関しては、最寄りの税務署または税理士へ確実に確認を行ってから手続きを進めるようにしてください。

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