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【専門家解説】「相続対策」と「相続税対策」の違いとは?基礎控除の計算とトラブルを防ぐ3つの相続パターン
カテゴリ:不動産売却コラム  / 投稿日付:2026/06/29 15:15

「相続対策」と「相続税対策」は混同されがちですが、目的が異なる「似て非なるもの」です。本記事では、相続税の課税対象ではない方であってもなぜ「相続対策」が必要なのか、その理由と相続の基本パターンをわかりやすく解説します。

1. 「相続対策」と「相続税対策」の違い

  • 相続税対策(全体の約9%が対象):相続税が発生する富裕層を対象とした、税負担を減らす(節税)ため、または納税資金を確保するための対策。
  • 相続対策(すべての人が対象):遺産分割をめぐる身内同士の争いを防ぎ、円滑に資産を引き継ぐための対策。

日本の税制上、実際に相続税を支払う対象者は、被相続人(亡くなった方)全体の約9%にとどまります。しかし、身内間のトラブルを防ぐための「相続対策」は、遺産額の大小に関わらずほぼすべての人に必要です。

2. 相続税の「基礎控除」とは?計算方法と具体例

相続税の支払い対象者が一部に限られるのは、法律によって「基礎控除」が定められているためです。遺産総額が基礎控除額を上回らない限り、相続税は発生しません。

基礎控除の算出数式

  • 基礎控除額 = 3,000万円 +( 600万円 × 法定相続人の数 )

【具体例】法定相続人が2人の場合

法定相続人が2名の場合、計算式は以下のようになります。

  • 3,000万円 +( 600万円 × 2人 )= 4,200万円

このケースでは、相続財産の総額が4,200万円以下であれば、相続税の申請・納付は原則として不要です。

3. なぜ基礎控除内の遺産でも「相続対策」が必須なのか?

相続税がかからない範囲(例えば4,200万円以下)の遺産であっても、「相続対策」は極めて重要です。

理由は、数千万円という資産をどのように分割するかについて、相続人間で合意形成ができず、身内同士の争い(いわゆる「争族」)に発展するケースが非常に多いためです。法律が定める相続割合(法定相続分)はあくまで一つの目安であり、感情的な対立や不動産の分割難からトラブルを解きほぐせなくなることが少なくありません。事前の準備(相続対策)が必要不可欠である理由はここにあります。

4. 財産をめぐる「3つの相続パターン」

相続人になれる対象者(法定相続人)やその相続割合は法律(民法)で規定されていますが、実際の相続手続きでは以下の順番で優先順位が決まり、必ずしも法定相続分通りに分ける必要はありません。

① 遺言による相続

故人が生前に作成した「遺言書」がある場合、原則として遺言書に記載された内容が最優先されます。

② 遺産分割協議による相続

遺言書がない場合は、法定相続人「全員」が集まって話し合い(遺産分割協議)を行い、合意の上で財産を分配します。協議が優先されるため、前述した法律上の相続割合はあくまで交渉の「目安」として扱われます。

③ 法定相続

遺言書がなく、かつ遺産分割協議がまとまらない(または協議を行わない)場合は、法律(民法)が定める「法定相続人」および「法定相続分」に則って遺産を分割します。

まとめ

「わが家には税金がかかるほどの財産はないから関係ない」と放置するのではなく、遺言書の作成や生前の遺産分割方針の共有など、早期から適切な「相続対策」を講じることが、遺された家族を守ることにつながります。


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