ホーム  >  横浜 不動産売却コラム  >  不動産売却コラム  >  【解説】自筆証書遺言とは?法改正後のルールやメリット・デメリット、法務局保管制度まで徹底解説

【解説】自筆証書遺言とは?法改正後のルールやメリット・デメリット、法務局保管制度まで徹底解説
カテゴリ:不動産売却コラム  / 投稿日付:2026/07/05 11:26

  • 自筆証書遺言とは、全文・日付・氏名を自筆し、押印して作成する遺言書です。
  • メリットは、費用がかからず個別でいつでも手軽に作成・書き直しができる点です。
  • デメリットは、不備により無効になるリスクや、紛失・偽造の恐れ、死後に家庭裁判所での「検認」が必要となる点です。
  • 最新の法改正:2019年の民法改正により「財産目録」のパソコン作成が可能になり、2020年には法務局での「自筆証書遺言保管制度」がスタートし、検認不要で保管できるようになりました。

1. 自筆証書遺言とは?基本の要件と注意点

自筆証書遺言とは、遺言者が遺言書の全文、日付、氏名をすべて自筆(直筆)し、押印して作成する遺言の形式です。

印鑑の要件

署名と同じ名前のものであれば、必ずしも実印である必要はなく、認印でも法律上は有効です。ただし、偽造や本人の真正な意思であることを証明しやすくするため、できる限り実印または登録している印鑑を使用することが推奨されます。

不動産の記載における注意点(地番と公図の確認)

遺言書で土地や建物を指定する場合、普段使っている郵便物などの「住居表示(住所)」ではなく、法務局の登記簿に登録されている「地番」や「家屋番号」を用いなければなりません。
一見、ひとつの敷地に見える土地であっても、公図を取得して確認すると「2筆、3筆」と複数の土地に分かれている(分筆されている)場合が多々あります。漏れなくすべての地番を正確に把握して記載する必要があるため、事前の登記簿謄本の確認が不可欠です。

2. 2019年・2020年の法改正による大きな変化

法改正により、自筆証書遺言は以前よりも作成しやすく、かつ安全に保管できるようになりました。

① 財産目録のパソコン(PC)作成が可能に(2019年1月13日施行)

かつては遺言書のすべてを手書きする必要がありましたが、2019年(平成31年)1月13日施行の民法改正により、「財産目録」に限っては、パソコンで作成した書面や、通帳のコピー、不動産の登記事項証明書を添付することで代用できるようになりました。
ただし、無効防止のため、パソコンで作成した財産目録のすべてのページ(裏表含む)に、遺言者の署名と押印を行う必要があります。

② 法務局での「自筆証書遺言保管制度」の開始(2020年7月10日施行)

2020年(令和2年)7月10日より、全国の法務局で自筆証書遺言を保管できる「自筆証書遺言保管制度」がスタートしました。法権限を持つ公的機関に原本を保管することで、紛失・改ざんの防止に加え、後述する面倒な「検認手続き」が不要になる最大のメリットがあります。

3. 自筆証書遺言のメリットとデメリット

自分で書く遺言書には、手軽さの反面、法的効力に関する複数のリスクが伴います。

メリット

  1. 費用がかからず手軽に作成できる:専門家への報酬や公証人手数料が不要で、紙とペン、印鑑があればいつでも作成できます。
  2. 何度でも気軽に書き直しが可能:気が変わった場合や財産状況が変わった場合、いつでも自分で破棄・再作成できます。
  3. 遺言の存在を秘密にできる:誰にも知られずに自分の意思を書類に残しておくことが可能です。

デメリット

  1. 要件不備により「無効」になるリスクがある
    • 不動産の特定ミス:登記のない増改築部分の不動産指定が不正確であるため、のちの相続手続きができないケース。
    • 法的用語の誤用:法定相続人(配偶者や子)以外に財産を遺す場合、本来「遺贈(いぞう)する」と記載すべきところを「相続させる」と表記してしまい、不動産登記などの手続きで支障が出るケース。
  2. 死後に発見されない、または回収・破棄されるリスク(※個人保管の場合)
  3. 筆跡や本人の意思確認を巡る親族間トラブル(争族)のリスク
    「本当に本人の筆跡か」「認知症などで意思能力がない時に無理やり書かされたのではないか」といった争いの引き金になりやすいのが難点です。

4. 「検認手続き」の有無について

個人で自宅等に保管している自筆証書遺言は、遺言者が亡くなった後、相続人が勝手に開封してはいけません。必ず家庭裁判所において「検認(けんにん)」という遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など検認日現在における遺言書の内容を明確にし、偽造・変造を防止するための手続きを行う義務があります。

なお、以下の場合は検認手続きが不要です。

  • 公正証書遺言
  • 法務局(遺言書保管所)で保管されている自筆証書遺言

法務局の「自筆証書遺言保管制度」を利用することは、個人保管における多くのデメリットを解消する有効な手段となります。

5. 自筆証書遺言に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 自筆証書遺言の印鑑は「シャチハタ(インク浸透印)」でも問題ありませんか?

A1. 法的には有効と判断された裁判例もありますが、原則として避けるべきです。
インク浸透印はゴム製で劣化しやすく印影が変形する恐れがあるほか、大量生産されているため偽造の証明が困難になるリスクがあります。無用な争いを防ぐためにも、重要な書類には実印(または朱肉を用いる認印)を使用することをおすすめします。

Q2. 法務局の「自筆証書遺言保管制度」を利用する際、遺言書の内容までチェックしてもらえますか?

A2. 外形的な要件チェックのみ行われますが、内容の有効性までは保証されません。
法務局の担当官が確認するのは、「自筆されているか」「日付・氏名の記載はあるか」「余白のサイズは規格通りか」といった形式上の不備のみです。「自身の指定した相続方法が法的に実行可能か」「遺留分を侵害していないか」など、内容の法的なアドバイスや保証は行われません。そのため、複雑な財産分割を希望する場合は、事前に専門家への相談を検討してください。


横浜市南区の不動産売買のご相談は、センチュリー21ミナトホームまで
地域密着の豊富なデータと経験をもとに、お客様に最適な売却プランをご提案いたします。

【ここからお問合せください。】

ページの上部へ