カテゴリ:不動産売却コラム / 投稿日付:2026/07/17 11:46
私道に接している不動産(一戸建てや土地)を売却する際、クリアすべき重要なポイントは「私道の通行・掘削承諾」と「私道の持分の有無」です。
本記事では、公道と私道の違い、私道接道における建築上のルール、そして売却時にトラブルを避けるための注意点をわかりやすく解説します。
1. 「公道」と「私道」の違いとは?
道路は管理主体によって大きく「公道」と「私道」に分けられます。
- 公道:国や地方自治体が所有・管理している道路(国道、県道、市区町村道など)。
- 私道:個人や法人が所有・管理している道路。複数の近隣住民で共同所有(共有)されているケースも多く見られます。
2. 私道に接する土地の建築ルール(接道義務)
建築基準法において、建物を建てるためには「幅員4メートル以上の道路に、敷地が2メートル以上接していなければならない」というルール(接道義務)があります。
この接道義務は、接している道路が公道・私道のどちらであっても適用されます。そのため、私道であっても基準を満たしていれば、法的な建築許可(建築確認)を得ることは可能です。
3. 法的に建築可能でも「工事ができない」リスクと注意点
法的に建築が可能な敷地であっても、私道ならではの物理的・人間関係的なハードルが存在します。私道の維持管理や掘削は、所有者の責任と負担で行う必要があるためです。
① 水道管・ガス管の引き込みには「掘削承諾」が必要
私道の下に埋設されている水道管や下水管が老朽化し、交換や新規引き込みを行う場合、道路を掘削する必要があります。
私道の持分(所有権)を持っていない場合や、複数人での共同所有である場合、勝ために道路を掘削することはできません。工事を行うには、私道の所有者全員から「道路掘削承諾書」を取得する必要があります。
② 工事車両の通行には「通行承諾書」が必要
建て替えやリフォームの際、工事車両を道路に通すため、私道権利者からの「通行承諾書」が必要になります。
近隣との関係が良好であればスムーズに承諾を得られることが多いですが、場合によっては高額な「承諾料(通行料)」を請求されるケースや、承諾自体を拒否されるケースも存在します。
③ 承諾書が得られないと売却が極めて困難に
「掘削承諾書」や「通行承諾書」が得られない土地は、購入後に建て替えやインフラの引き込みができない(または困難である)ため、買い手がつかなくなったり、売却価格が大幅に下落したりするリスクがあります。
4. 私道に接した家をスムーズに売却するための対策ステップ
トラブルを未然に防ぎ、スムーズに売却を進めるためには以下のステップが推奨されます。
- 私道の権利関係(持分)を確認する:登記事項証明書(登記簿謄本)や公図で、誰が私道を所有しているかを確認します。
- 事前に承諾書(通行・掘削)を準備する:売却活動を始める前に、隣人や私道共有者から「通行掘削承諾書」を取得しておくことが理想的です。
- 専門の不動産会社に相談する:私道が絡む不動産取引は法律や人間関係が複雑に絡み合うため、実務経験が豊富な不動産会社へ相談することが最も確実な解決策です。

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