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法人が不動産を売却する際の流れと税金の仕組み
カテゴリ:不動産売却コラム  / 投稿日付:2026/08/23 14:00

1. 法人と個人における不動産売却の主な違い(要約)

法人名義で所有する不動産を売却する場合、個人が売却する場合と比べて「適用される税金の種類」「保有期間による税率」「損益通算の範囲」「消費税の課税関係」が大きく異なります。

項目法人所有の場合個人所有の場合
課税される税金法人税(法人住民税・法人事業税含む)譲渡所得税・住民税・復興特別所得税
保有期間による税率保有年数に関わらず一定(実効税率 約30〜34%)短期譲渡(5年以下: 39.63%)
長期譲渡(5年超: 20.315%)
課税方式総合課税(本業の損益と合算)分離課税(他の所得と原則分離)
特別控除居住用財産の3,000万円特別控除等は適用外要件を満たせば適用可能
建物の消費税課税事業者の場合、建物売却に消費税が課税マイホーム売却等は非課税

2. 法人が不動産を売却した際にかかる税金

(1)法人税(総合課税・損益通算)

法人が不動産を売却して得た利益(譲渡益)には、個人のような「譲渡所得税」ではなく「法人税」が課されます。

  • 損益通算が可能:不動産売却の損益は、法人の本業(営業損益)と合算されます。不動産売却で利益が出ても本業で赤字があれば相殺でき、逆に不動産売却で損失(譲渡損)が出た場合は本業の黒字と相殺して法人税を圧縮できます。
  • 保有期間による税率の変動がない:個人は保有期間5年を境に税率が変わりますが、法人は短期・長期の区分がなく、一律の法人税率が適用されます。

(2)建物の売却に対する消費税

法人の不動産売却では、消費税の取り扱いに注意が必要です。

  • 土地:非課税(法人・個人問わず)
  • 建物:課税事業者である法人が売却する場合、消費税が課税されます

そのため、売買契約時には建物価格に消費税を上乗せして請求し、決算時に納税する必要があります。

3. 売却損益と「帳簿価額(簿価)」の計算方法

法人税の対象となる売却損益は、以下の計算式で算出します。

売却損益 = 売却価格 -(帳簿価額 + 売却諸経費)

帳簿価額(簿価)とは

貸借対照表(B/S)に計上されている不動産の会計上の価値です。基本的に「取得時の金額(購入費用+取得諸経費)」から「所有期間中の減価償却費の累計額」を差し引いた金額となります。

  • 売却価格 >(簿価 + 売却経費)の場合:差額を「固定資産売却益(特別利益)」に計上(法人税の課税対象が増加)
  • 売却価格 <(簿価 + 売却経費)の場合:差額を「固定資産売却損(特別損失)」に計上(法人税の課税対象が減少)

4. まとめ:法人不動産の売却は専門実績のある不動産会社へ

法人の不動産売却は、帳簿価額の確認、減価償却の計算、消費税の按分(土地・建物割合の設定)、本業を含めた決算対策など、専門的な税務・会計知識が求められます。

所有不動産の適正な査定や税務影響を考慮した売却計画を進めるためには、法人取引の実績が豊富な不動産会社や顧問税理士へ早めに相談することをおすすめします。


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