カテゴリ:不動産売却コラム / 投稿日付:2026/08/29 12:02
1. はじめに(要約)
日本国内の不動産を購入する際、売主が「非居住者」である場合、買主側に売買金額の10.21%を源泉徴収して税務署へ納付する義務が発生することがあります。
ただし、「買主自身や親族の居住用」かつ「売買価格が1億円以下」である場合は源泉徴収が不要です。源泉徴収が必要な取引において納付を怠ると、買主に不納付加算税などのペナルティが課されるおそれがあるため、正確な条件把握が不可欠です。
2. 源泉徴収の対象となる「非居住者」とは?
日本の税法(所得税法)において、「非居住者」とは日本国内に住所がなく、かつ現在まで引き続いて1年以上日本国内に居所がない個人を指します。
国籍に関係なく判定されるため、以下の点に注意が必要です。
- 外国籍の方:日本国内に居住実態がない場合
- 日本国籍の方:海外赴任や海外移住により、1年以上海外で生活することが見込まれる場合、またはすでに海外に生活の拠点がある場合
3. 源泉徴収の「必要・不要」判定基準
不動産を購入した際の源泉徴収の要否は、「購入目的」と「売買代金」によって決定されます。
| 購入目的 | 売買価格 | 源泉徴収の要否 |
|---|---|---|
| 本人または親族の居住用 | 1億円以下 | 不要 |
| 本人または親族の居住用 | 1億円超 | 必要 |
| 投資・賃貸用、セカンドハウス、事業用 | 金額を問わず(1億円以下も含む) | 必要 |
| 法人による購入 | 金額を問わず | 必要 |
源泉徴収が【不要】となる条件(すべて満たす必要あり)
- 利用目的:買主本人、またはその親族(配偶者、6親等内の血族、3親等内の姻族)が自己の居住用として使用すること
- 売買価格:売買代金の総額が1億円以下であること
源泉徴収が【必要】となるケース
- 売買価格が1億円を超える場合(居住目的であっても必要)
- 投資用・賃貸用、セカンドハウス、事業用など、自己や親族の恒常的な居住目的以外で購入する場合(1億円以下であっても必要)
- 買主が法人である場合(社宅利用などであっても原則として必要)
4. 源泉徴収税率と納付手続きの流れ
税率と計算方法
源泉徴収税率は売買代金の10.21%(所得税10%+復興特別所得税0.21%)です。
| 項目 | 割合 | 金額例(売買価格1億2,000万円の場合) |
|---|---|---|
| 売主様への支払額 | 89.79% | 1億774万8,000円 |
| 税務署への納付額(源泉徴収) | 10.21% | 1,225万2,000円 |
納付期限
不動産代金を支払った月の翌月10日までに、所轄の税務署へ納付書(非居住者等に対する所得についての所得税徴収高計算書)を添えて納付します。
5. 売主側の確定申告と税金の精算
源泉徴収された10.21%は、売主が支払うべき譲渡所得税の前払いという位置づけです。
売主は売却した翌年に日本の税務署へ確定申告を行うことで、実際の譲渡益(売却益)に応じた正確な税額を計算します。源泉徴収額が本来納めるべき税額を上回っている場合は、確定申告によって差額が還付されます。
6. よくある質問(FAQ)
Q1. 親族の居住用として8,000万円のマンションを購入する場合は源泉徴収が必要ですか?
A. 不要です。
買主の親族(配偶者、6親等内の血族、3親等内の姻族)の居住用であり、売買代金が1億円以下であるため、源泉徴収の免除要件を満たします。
Q2. 5,000万円の投資用ワンルームマンションを購入する場合はどうなりますか?
A. 源泉徴収が必要です。
金額は1億円以下ですが、自己または親族の居住用ではない(賃貸・投資目的)ため、買主は代金の10.21%を差し引いて税務署へ納付する義務があります。
Q3. 源泉徴収を忘れて売主に全額支払ってしまった場合はどうなりますか?
A. 買主が税務署から追徴課税(本税+不納付加算税や延滞税)を受けるリスクがあります。
売主が非居住者である疑いがある場合は、契約前に売主の居住形態・税法上のステータスを不動産会社や専門家を通じて必ず確認してください。
7. まとめ
非居住者からの不動産購入では、知らずに代金を全額支払ってしまうと、買主側が思わぬ税務上の責任を負うリスクがあります。
- 売主が海外在住(または1年以上の海外赴任中)でないか
- 購入用途が居住用か、投資・事業用か
- 売買価格が1億円を超えていないか
これらを事前に確認し、該当する可能性がある場合は、売買契約締結前に管轄の税務署や税理士、取扱いの不動産仲介会社へご相談ください。

横浜市南区の不動産売買のご相談は、センチュリー21ミナトホームまで
地域密着の豊富なデータと経験をもとに、お客様に最適な売却プランをご提案いたします。



