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契約不適合責任とは?瑕疵担保責任との違いや売主・買主別の注意点をわかりやすく解説
カテゴリ:不動産売却コラム  / 投稿日付:2026/08/31 14:39

契約不適合責任とは、売買契約に基づいて引き渡された目的物が、「種類・品質・数量」に関して契約内容と合致していない場合に、売主が買主に対して負う法的責任のことです。

2020年4月の民法改正により、従来の「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」から「契約不適合責任」へと改められました。この改正により、欠陥の有無そのものだけでなく「契約内容と一致しているか」が判断基準となり、買主が請求できる権利の内容や売主の責任範囲が明確化されました。

瑕疵担保責任と契約不適合責任の違い

項目旧民法(瑕疵担保責任)現行民法(契約不適合責任)
判断基準隠れた瑕疵(欠陥)の有無契約内容との不適合(種類・品質・数量)
買主の請求権2種類(契約解除、損害賠償請求)5種類(追完請求、代金減額請求、催告解除、無催告解除、損害賠償請求)
損害賠償の要件売主の無過失責任(過失がなくても責任を負う)売主の過失(帰責事由)が必要
権利行使の期間瑕疵を知った時から1年以内の権利行使不適合を知った時から1年以内の通知

買主側から見た契約不適合責任

民法改正により、買主側は不具合が生じた際の救済措置が増え、権利を行使しやすくなりました。

1. 買主が行使できる5つの権利

引き渡された不動産に契約と異なる不具合があった場合、買主は以下の請求を行うことができます。

  1. 追完請求(修補の請求など)
    契約内容と異なる部分を修復・補修するよう売主に請求する権利です。まずはこの追完請求を行うのが原則となります。
  2. 代金減額請求
    追完請求(修補)を求めたにもかかわらず売主が対応しない場合や、そもそも修復が不可能な場合に、不適合の程度に応じて売買代金の減額を請求できる権利です。
  3. 催告解除
    修補などを請求(催告)したにもかかわらず、売主が相当の期間内に対応しない場合に、契約を解除できる権利です。解除された場合、買主は支払った代金の全額返還を求められます。
  4. 無催告解除
    契約不適合によって「契約の目的が達成できない」場合(例:建物の構造的欠陥で居住が不可能な場合など)、催告なしで直ちに契約を解除できる権利です。
  5. 損害賠償請求
    契約不適合によって生じた損害の賠償を請求する権利です。ただし、売主に落ち度(故意・過失などの帰責事由)がない場合は請求できません。

2. 買主側の実務上の注意点

  • 知ってから1年以内の「通知」が必要
    品質や種類に関する不適合を知った場合、その時から1年以内に売主へ通知しなければ、原則として権利を行使できなくなります。
  • 契約書に明記されている不具合は請求できない
    契約時に「雨漏りがある」「一部設備が故障している」と契約書や付帯書類に明記され、それを了承して購入した場合は、契約不適合にはあたりません。契約前に物件の現状と契約書の記載内容を十分に確認することが重要です。

売主側から見た契約不適合責任

売主側は、買主から請求される救済手段が増えたため、これまで以上に物件の状況を契約内容へ正確に反映させる義務が求められます。

1. 売主が負う責任とリスク

  • 契約と異なるものを引き渡した責任
    故意や過失がなかったとしても、契約内容と異なる状態の物件を引き渡した場合は、買主からの「追完請求(補修)」や「代金減額請求」「契約解除」に応じる義務が発生します。
  • 損害賠償責任
    不適合に関して売主に過失(知っていたのに告げなかった等)がある場合は、補修にとどまらず損害賠償を請求されるリスクがあります。

2. 売主側のトラブル防止策

  • 物件状況の正確な開示(物件状況確認書・付帯設備表の作成)
    売却時に把握している不具合や過去の修繕履歴は、「物件状況確認書(告知書)」や「付帯設備表」に漏れなく記載し、買主へ開示・合意を得て契約書に盛り込む必要があります。
  • 契約不適合責任の免責・期間短縮の特約を活用する
    契約不適合責任は「任意規定」であるため、当事者間の合意によって責任の一部または全部を免除する特約を結ぶことが可能です。
    • 個人間売買の場合:責任を負う期間を「引渡しから3か月」などに短縮する、あるいは「経年劣化による設備不良は免責」「完全免責(現状有姿売買)」とする特約を設定するのが一般的です。
    • 宅地建物取引業者が売主の場合:宅地建物取引業法により、引渡しの日から2年以上となる特約を除き、買主に不利となる免責特約は無効となります。

まとめ:安心・安全な不動産取引のために

契約不適合責任においては、「契約書に何が書かれているか」がすべての判断基準となります。

  • 買主様:引き渡される物件の状態・設備が契約書や告知書に正しく記載されているか、契約不適合責任の期間や免責範囲がどう定められているかを十分に吟味しましょう。
  • 売主様:建物の傷みや設備の不具合、過去の履歴を余すことなく開示し、契約書に反映させることで将来のトラブルや損害リスクを防ぐことが不可欠です。

不動産売買をご検討の際は、契約条項の詳細や特約の付け方について、不動産会社と綿密に確認しながら進めることを推奨いたします。


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